全前置胎盤妊娠から23wより管理入院、
28w1dで大出血を起こし緊急帝王切開で
SOUを出産するまでの過程です。
ここからは出産当日の記録になるので
大出血など生々しい状況の描写が
出てくると思います。
苦手な方ご注意ください!
前回からの続き
ナースコールを押してすぐ来てくれた
看護師さんは出血を見てすぐ顔色を変え、
出血は止まっていない状態だったが
とりあえずベッドに横になって
安静にしていてくださいね!と言い
先生を呼びに行ってくれた。
すぐに担当医のB先生が来てくれ
内診がはじまった。
出血量は多いが、
サラサラした血で
血の塊(コアグラ)は出ていない。
詳しいことはよくわからなかったが
大量にコアグラが出ているような
状態でない限りは、
先生は即座に帝王切開には踏み切らず
妊娠をなんとか継続させたい考えだという。
素人目には、もう妊娠継続は
これ以上無理だろうと思わせる
出血量だったのけれど・・・
お腹の張りを見るモニターをつけると
強い張りがある状態で
膣炎治療の抗生物質の点滴を入れていても
お腹の張りはやはり改善していない。
張りが収まらない限り、
この出血もおさまらない。
とにかく、何よりもまず張りを抑えないと
いけないとの事でリトドリンもマグセントも
点滴量をあげる事になった。
ただでさえ点滴の副作用の
動悸や吐き気にはずっと苦しんでいたのに
更に量が増えてことで
動悸も吐き気も、一気に致死的なレベルに
跳ねあがる。
ちょうど、点滴量を増やす処置を終えた頃に
緊急の電話を受けた夫が
さっき面会から帰ったばかりだと言うのに
とんぼ帰りで病室に戻ってきてくれた。
病室に入ってきて
私の顔を見た瞬間、
顔が異様に赤くて
死ぬほど苦しそうだというのは
夫も一目見て分かったらしい。
その場でB先生から
今の状況の説明を受け、
張り止めを出来るところまで増やして
妊娠を可能なところまで継続させたい、
という旨を伝えられた夫だったが
夫から出たのは
「もうこれ以上点滴を増やすのは
あまりに妻が苦しいので
もう帝王切開に踏み切って
赤ちゃんを出してあげることは
できないでしょうか」
という言葉だった。
夫は優しい。
赤ちゃんの危険はわかるけれど、とにかくこれ以上
私が苦しそうなのを見るのが
耐えられなかったと後から言っていた。
母親失格といわれるかもしれないが、
わたしの中でも妊娠を継続させたいと
言う気持ちを上回る、
もうキツイ点滴頑張れない
はやく出産してしまいたいと言う気持ちが
この時生まれていた。
その位、点滴量を増やされた
リトドリンとマグセントの副作用は強烈だった。
B先生は今の私の苦しさ、
もうこれ以上点滴を増やされるのは
耐え難い、という気持ちにも
深い理解を示してくれたうえで
少しの間考えるそぶりをみせた後
「それでもやはり、
28週1日という赤ちゃんの未熟さを考えると
今すぐに赤ちゃんを出すことは
リスクが大きく
張り止めの点滴を
まだ増やせる余地が残っている以上
出来るのであれば
妊娠を可能なところまで
継続させたいです。
これが仮に30週目であっても、
張り止めを中止し赤ちゃんを
今出す、という選択には
ならなかったと思います」
と言った。
それまでも充分、私と夫は赤ちゃんが正産期の前に
生まれてくることのリスクは色々勉強し
分かっていたつもりだった。
しかし、先生の話を聞いたとき
自分の認識は甘かったのだと、
これほどの出血をし母体がどれほど
張り止め点滴の影響下で苦しかったとしても
赤ちゃんを出してしまう、という
選択は考えられないくらい
今の28週という週数でお腹の外に出ることの
赤ちゃんへのリスクは深刻なのだと
その時初めて思い知った。