前置胎盤妊娠から23wより管理入院、
28w1dで大出血を起こし緊急帝王切開で
SOUを出産するまでの過程です。
前回からの続き
点滴のはじまったマグセントを
高濃度で最初に落とし始める
ローディングを行ったのが
27w1dの朝。
この日は午前中は吐き気が強かったが
午後から徐々に良くなり、
おりものに多少の出血が混じることはあったが
終日出血はぶじ落ち着いたままで
一日を終えた。
そして迎えた翌日27w2d。
この日は日曜日で週一の母の面会、
お兄ちゃんのTAKUを連れてきてくれる日だった。
昼ごはんが終わった後、
13時過ぎくらいに母とTAKUがやってきて
デイルームで面会が始まった。
前日に多い出血がありマグセント点滴を始めたことは
当然もう母には知らせていて、
とにかくマグセントの副作用
強烈だよ~という話や
今後早産につながるクリティカルな出血
おきちゃったらどうしよう、とか
いつもの面会と同じような話をしていた気がする。
TAKUはわずか一週間ぶりでも
私と合うと照れるようになってしまって
にやにやしながら目をつぶって
私をみないようにしたり
怪しい行動を色々とっていたが
つんできたタンポポ一輪を私にくれた。
面会が始まって20分程立った時。
生理の時、ドロっと血の塊が流れるのと
同じ感覚があった。
なによりも今恐れている感覚。
サーっと血の気が引いた。
「やばい、出血したみたい」と母に伝えると
母も青ざめ、すぐに看護師さんに
その旨伝えた。
結局、一時間予定だった面会は
そこで中断になり
私は病室に戻ることに。
緊迫した空気の中だったのに、
別れ際にTAKUが
くれたとおもっていたタンポポを
しっかり私から奪い返して
帰っていったのが一つだけ笑えた(笑)
すぐに、担当医ではないが
当直だった産婦人科医師の
内診をうけることになり
診察がはじまった。
先生の話だと、今回の出血も
決して直接早産につながるような
大量の出血ではない、との事。
しかし、この27週に入ってから顕著に
出血の頻度が増えてきていることを
先生は心配していた。
そうして、先生からでた話は二つ。
・とりあえずお腹の張りが今は常にある状態で
まず何としても張りを落ちつけないと
いけないので
マグセントの量を10ml/時 → 12ml/時に
増量します。
薬を増やしていっても
今後張りや出血がコントロールできない場合
従来の想定より早い段階で
(予定では36週前後まで待って
計画帝王切開と言われていた)
お産になります。
・赤ちゃんが早産で生まれることになった時、
肺の成熟を促し生まれた後の呼吸障害を減らす
ステロイド注射を打ちましょう。
注射は二回に分けてうつので、
一回目は今日これから打ち
二回目は一回目から24時間空けて打ちます。
との事だった。
先生からの話の中で、
「お産」という言葉がでたのは
これが初めてだった。
怖い、赤ちゃんもう生まれちゃうの?
という気持ちと
やっぱり今週入ってから明らかに
出血の頻度も量も増えているのは
この妊娠は正産期どころか
もしかしたら30週目までも
継続できないかもしれないと
冷静に考えている自分も居た。
先生が一度部屋から去ってから
スマホですぐに
「早産 ステロイド」で調べてみると
共通して書かれていたのは
「早産に備えるステロイド注射は
打ってから一週間程度で
ピークの効果を迎えるので、
もう早産が差し迫っていると
判断されたときに行わる」
という点だった。
この後、また注射の際
先生が来た時にたまらず
自分がネットで見たことを話し
「先生、やっぱりもうすぐ
赤ちゃんうまれちゃうんですかね」
と聞いてしまった。
先生は、いやいやそうは限らないですよ~と
優しく返してくれたが
今思うと先生はもう前置胎盤の警告出血が
近いうちにコントロールが出来ないレベルに
なってしまう可能性が高いと
読んでいたのだと思う。
そして、担当医ではなかったこの先生が
このタイミングで
ステロイド注射を打ってくれたことが
今、SOUが在胎28週の
極低出体重児で生まれながら
障害を残さず予後よく育ったっている
一つの大きい理由だったと
私は思っているし
その判断に深く感謝している。
SOUはこのステロイド注射が
最大の効果が出ると言われていた
ちょうど一週間後に
生まれてくることになったからだ。
あと最後にひとつ、
ステロイド注射はおしりに打ったのだけれど
大して痛くもないし、普通の注射だった。